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Nostromo SpeedPad n52所感
筆者が購入したBelkin Nostromo SpeedPad n52を紹介します。EQ2に於いても満足の行く使い勝手を提供するものではないかと感じました。
BELKIN Nostromo SpeedPad n52を2004年6月に導入しました。この一世代前のn50時代から試してみる価値はあるなと目を付けていたものです。
EQ2のservice in直後の喧噪から一段落したこともあり、この辺りでぼちぼちと所感などを書き連ねてみます。
1. 概要
n52とは、主にgame用途を念頭にした、左手用controllerです。
15key, 1button, 1wheel, 1cross-keyといった豊富な入力要素を備え、さらに自由度の高い設定utilityによってそれらを縦横無尽に駆使出来ます。
しかし、何もかもn52に頼り切ることは適切な選択ではありません。あくまで入力の補助用具と割り切った上で、活用の方法を模索することが肝要です。
2. hardware詳細
2.1. 全体
設置面積は縦約180mm, 横約150mm程度です。普通のkeyboardの半分か三分の一程度の設置面積が要ることになります。無理なく設置出来るぎりぎりの大きさと言えるのではないでしょうか。
黒と灰色に塗り分けられた配色で、橙色のbuttonをaccentとしています。あまりに自己主張が激しい色遣いだと困りますが、概ね落ち着いた感じを出せていると思います。
私の手は大きいとはとても言えず、一般的な日本人男性と比べて平均を下回るほどの大きさしかないと思われます。n52はそもそも米国人を主対象とした米国製品であるため、操作上の取り回しで苦労することもあります。
そういった場合には、掌の手前部分のpalm rest部分に布を挟むなどすると操作性が向上しそうです。掌に汗をかく方には汗を拭き取る効果もあるかも知れません。
2.2. key
親指を除いた四本の指では、14個のkeyを操作出来ます。3段構成で、奥から5列・5列・4列となっています。key topには左上から01~14という番号が振られています。
keyは掌を自然に置いた時の体勢にあわせ、左側(小指側)に行くにつれて低くなっています。
手前側の段はkey topが奥川に傾いています。横から見るとgerman-futhark(いわゆるrune文字)の「u」のような感じです。しっかし解りにくい喩えですね。
中段の中央列、すなわちkey群の真ん中にある08番keyには突起が設けられており、home-positionの確定に一役買っています。
小指で打鍵する左側の列のkey(01番・06番・11番)は、その他のkeyより手前側にやや近い位置にあります。
keyの打鍵感は普通です。この「普通」という表現は、一般的なkeyboardと比べた物であって、打鍵感にこだわりを持つ方からは落第点を付けられてしまうものとなります。そうは言っても一般的な見地からは及第点の出来映えとなっているように思えます。
やや軽めの感触で、力を込めると「すとん」と素直に底打ちします。keyの返りも素直な物で、打鍵時には「ちゃかちゃか」と安い音が聞こえます。
構造は一般的なswitchを採用していて、key topに対して垂直方向以外のvectorではなかなか押下しにくくなっています。その所為もあって、打鍵の絡まりはあまりありません。安い打鍵感と述べましたが、何も考えずに設計されたわけではないことが窺い知れます。
十字keyの手前側には、15番keyがあります。これは親指で操作をすることになりますが、親指の腹ではなく、右側面で押し下げるようにします。key topが広いことと、stroke高が短いこともあって、残念ながら打鍵感はかなり質が悪いものとなっています。他の入力要素とは独立した位置にある優位性を活かそうと思って、頻繁に使う機能であるとか、緊急用にとっさに使う機能を割り振るには躊躇を覚えてしまうかも知れません。
2.3. 十字key
本体の右側面、斜めに設置されている十字keyは、親指で操作をすることになります。
一般的な8方向keyの作りとなっており、軽めの感触となっています。この押下感はかなり良い物で、keyの作り自体は満足の行く物です。
しかし、この十字keyには致命的とも言える弱点があります。
例によって自然な体勢で掌を置いた時に自然と親指のある位置にあわせてkeyが設置されていますが、十字の縦棒を貫く線(y軸)が親指の生える方向と重なってしまっているため、上方向へ押すときには親指を伸ばすようにしなければなりません。
なおconsumerのgame機では、十字を基準とした第3象限の方向に親指の付け根がありますので、十字keyの操作時に窮屈さを覚えることが比較的少ないです。なぜなら、指の動きは縦方向よりも横方向の方が自由度が高いからです。試しにPS2等のcontrollerを、左手で支え持つような体勢で十字keyを「下側」から押してみれば、その窮屈さが理解出来ると思います。まぁ、私はPS2を持っていなかったりしますが。
配置位置そのままに、反時計回りに30度程度回してくれれば操作感はずっと向上したことでしょう。
この形状から方向移動などに用いることも予想されますが、頻繁に使うにはややくたびれを覚えることがあるかも知れません。
2.4. button
十字keyの上に、これも斜面にへばりつくようにして橙色のbuttonが設置されています。
敢えてkeyと表現しないのは、他のkeyとの区別をするという要請に基づくものではありません。まさに押下感がbuttonそのものであるからです。これがもう、とても硬いものなのです。さらに困ったことに、cameraのshutter-buttonのような構造となっており、軽く押して1mm程度のstrokeを得た際に底打ち感があります。この底打ちはbuttonの押下と見なされず、さらに強くもう1mm程度を押下することによって初めてbuttonを押下出来ます。
そのような力を込めようと思うと、構造上n52の本体ごと押してしまうことになり、小指でkeyの側面を押さえるか、人差し指の左側面で本体を押さえて親指と挟み込むようにして押下するなどの工夫が必要となります。
このため、頻繁に使う機能を割り当てるよりは、緊急時の機能か、後述する「modeの切り替え」といった用途に割り振ることとなるでしょう。こういった機能は誤入力による発生を避けるべきものとなっていますので、押し難いこのkeyには最適と言えます。
EQ2の緊急時と言えば、例えばencounterのunlockや、CLRなら緊急heal等が考えられます。
2.5. wheel
一般的なmouseのwheelと同様のものです。wheelには目盛りが刻まれており、この1目盛り程度を回す事にwheelを回したという信号が流れる仕組みです。したがって、無段階に信号を発するものではありません。回す感覚は重くもなく軽くもないものです。
また、wheelの押下にも対応しています。
2.5. LED indicator
鬼門の15番keyの付近には、赤・緑・青の三色のLED indicatorがあります。これは、後述するmodeを表示する為のものです。
目視する為の位置としてはここ以外にないため、配置自体は問題がありません。
欲を言うとすれば、他の色より明るい特性を持つ青色LEDについては、保護面に多少smokeを入れるなどして、明るさを他の物と合わせる工夫があると良かったかも知れません。
3. software詳細
3.1. 概要
n52を活用するためには、まずそれぞれのkey assignを「Profile Editor」によって編集した後、その設定を「Loadout Manager」によって読み込むことが必要となります。
3.2. Profile Editor
悪くない出来映えです。英語が読めない人でも直感的に設定が出来るでしょう。
設定は4つのmodeを活用することが出来ます。このmodeを利用すれば、n52の操作で発行出来る信号が単純計算で4倍になります。
normal, red, green, blueのmodeがあり、これはLEDに準拠しています。
もっとも、4つあるmodeを全て使う義理はありません。ですが一杯あればそれに取り敢えずassignしてしまうのが悪い癖ですね。
なお、いざkey setが変わったら何も出来なくなるという事態を防ぐために、いくつかのkeyは標準assignのままにしておくのが妥当でしょう。ちょうどhot buttonsのsetをいくつか作ったとしても、heal系4種は不動のままにしておくかのように。
3.3. Loadout Manager
或るapplicationを起動したときを契機として設定を読み込むことも出来ます。例えば、EQ2 clientを起動したときにEQ2用の設定を読み込むことになります。この辺りは気が利いていて、IE用やOffice用の設定等も是非用意したいですね。
n52は見た目はいかにもgame然としていますが、なかなかどうして一般applicationにも活用の幅が広がります。PC機器にとって完全はあり得ませんが、入出力機器は特にその傾向が顕著です。n52が完璧なsolutionであるとは言えませんが、多くの人にお勧め出来る機器であるとは言えます。
4. EQ2に於ける活用法
keyboardに近い操作感を持つこのn52は、EQ2の多くの機能を左手のみで操れる可能性を秘めています。
しかし、それらはあくまで可能性であって、自分なりの設定が必要となることは言うまでもありません。
4.1. 具体例あれこれ
4.1.1. target
戦闘の重要な基本動作は、target取りです。視界のcharacterをclickしたり、group windowやplayer windowをclickしてtargetを取ることも出来ますが、keyの押下によってtargetを取る方が概ね早く、しかも確実です。
defaultではF1~F6が自分とgroup memberをtargetする機能に割り当てられていますが、これらのkeyの打鍵の際にはhome-positionから大きく指(または掌全体)を動かす必要があります。かといって他のkeyに割り当てることも難しいような場合には、n52の出番です。
4.1.2. spells, combat arts
多彩なspells, combat artsを活用する戦闘時には、使用を思い立った時点から実際に入力を完了するまでの間を短くできた方が良いです。hot buttonのbankやknowledge windowのiconのclickも良いですが、或る程度頻繁に使うkeyをまとめてしまい、通常時は左手一本で操作を出来るようにしてみてはいかがでしょう。例えば、heal, buff, debuff等々。全てをn52のみで完結させようと思うから、入力要素の少なさが気に掛かるのです。「80-20の法則」とよく言われますが、操作量の80%が20%の機能に集中しているということがEQ2にも言えるのではないでしょうか。そうした20%の機能を割り振るには、n52で必要十分です。
要はPCとPDAの使い分けと一緒で、PCで出来ること全てをPDAに求めてはならないように、full keyboardで行う機能全てをn52に肩代わりさせることは出来ませんし、またさせるべきではないということです。
そうして楽になった分、chatに思う存分花を咲かせれば最高です。
4.1.3. 生産
奥が深い生産とは言え、操作量自体は少ないものです。
n52で軽快にtradeskillを活用しつつ、右手でmemoを取ったり、glassを傾けたりするのも良いでしょう。
4.2. macro
Profile Editorでは、いくつかのkey操作などを記憶したり、それを編集することが出来ます。
そもそもEQ2のgame designは「単純click game」とは懸け離れたものとなっており、このmacroによって出来ることはたかが知れています。
今作はspell, combat art等の予約入力が出来ることもあって、macroの出る幕はほぼないと考えて良いでしょう。n52は単なるkeyの代替として使うこととなります。
cheatというものは“素の状態による通常のplayで決して実現出来ない操作をすること”という定義がなされることが多いです。EQ2のdevは、game外のhardware, softwareの援用については全否定していません。しかし、macroのためにn52を使うのは筋違いと言えます。
打ち明けた話ですが、そもそもわざわざmacroまで作り込むほど暇ではないというのが正直なところです。「為にする行為」を趣味と捉えられなければ、時間を無為に使うだけでしょう。自作PCで悩んだり妄想をしたりする過程を楽しめなければ、さっさとvendor製品を買った方がましだということと通じます。私にとっての楽しみの一つはNorrathの生活ですが、n52の設定を自己目的化するのは楽しみではないということです。
5. その他の事項
5.1. 価格
それなりに満足のいく水準です。決して安くはありませんが、(要求水準を高く見積もった場合での)必要最低限の機能と製品自体の特殊性を考えれば、至極まっとうな値付けだと感じました。もとより薄利多売には向かない層を対象とした製品ですしね。
こういった海外物が高いという批判も場違いです。海外製品を輸入するなどして販売する店舗は積極的に色物を含め紹介・輸入販売することを求められているのであって、どこでも買えるような品を安価で大量に供給することが求められているのではないからです。
日本で扱っていない品をどうしても買いたければ個人輸入で事が足りますが、そうした労を省け、riskを回避出来るという点で、社会人にとってはこうした店の存在がありがたいのです。
安ければ安いで嬉しいですが、それによってserviceの質へしわ寄せが来るのは怖いです。店だって(個人の代わりに)riskを負っているわけで、利幅が薄くなって冒険が出来なくなるととても困ります。supportにはあまりお世話になりませんが、これを甘く見てはいけません。初期不良・保証期間中の対応はもとより。
もっとも、店に必要以上に肩入れをするつもりはありませんが。
Ethelbert @ Sebilis (2004年11月27日 23時18分)
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感想
素晴らしいインプレッションだと思います。
先週土曜日に入手してからRagnarokOnlineで使用し始めましたが概ね私が抱いた感想と一致しています。
最後の価格及び、輸入販売代理店についても同感です。
LEDについてですが、直接視認するものというよりも視野外にボンヤリと認識する為のものと感じました。
この製品はFPSユーザも対象にしている。彼らは画面から目を離さない状態での素早い操作が求められている。
その状況でも誤操作が発生しないように確認可能ということで、輝度が高い現在の状態でもいいのではないかと。
それが邪魔なら、自分で塞いだり色付きアクリル板を被せたりする改造をすればいいのではないかと思いました。
いずれ、輝度については感じ方に個人差がありそうな部分ではありますね。
know (2004年11月29日 10時22分)
こんばんは。一般的ではない話題に感想をくださってどうもありがとうございました。
LEDの明るさについては、書いている途中にふと頭をよぎっていたりしましたが、故意犯的にそのまま公開してしまいました。FPSに限らず、EQ2でもLEDをじっと見つめるようなこともないと思いますので、仕様上差し障りがあるかといえばそれはありませんね。
むしろ色だけではなく明るさでも識別に供することが出来ると考えれば、この仕様で良いとも考えられます。実際赤と緑はあまり変わらなく見えますし。
折角慣れていたのに、使用開始後半年が経って記事を書く段になってまじまじと見つめた所為で、重箱の隅をつついたような所感となってしまったかも知れませんので反省です。
物はいいですよね。同様の機器の中では抜きん出ています。n50からn52で完成度が増して、しばらくは後継機も出ないだろうと踏んでいます。いやまぁ、出れば出たでdigital gadgetに弱い私は手を伸ばしそうなのが怖いですが。
Ethelbert (2004年11月30日 00時07分)
記事を読ませていただいて購入しようと思っております。
でも設置面積は180cmは大きすぎw
これからもおもしろい記事を読ませていただきますのでがんばってください。
売っているとこ探さねば
Ice (2004年12月04日 00時26分)
ががーん。
慌てて修正致しました。ご指摘ありがとうございました。縦180cmは確かに異様な大きさですね。想像して笑ってしまいました。Giantが操作するにしても横150mmでは小さ過ぎますし。
Ethelbert (2004年12月04日 06時20分)
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